公共水道事業局

早見表

業界: 水処理
場所:​ カリフォルニア州ぺリス
アプリケーション: EIS
DRプログラム: EnerNOC Demand Response in SCE
DR 戦略:​​​ 削減のみ
主要削減戦略: ポンプの一時停止
年間報酬: 約1000万円

概要

1950年の創立以来、Eastern Municipal Water District (EMWD)は農産業向けの小規模 な水道事業者から南カリフォルニアで最大の水道供給事業者のひとつとして成長を遂 げ、1440平方キロの地域に住む63万人以上の住民にサービスを提供しています。革新的 な公益事業体である同社は、水や水処理そしてその他のサービスを顧客に提供しており、 地域の住民はいつでも利用できる豊富かつ低価格な清浄水の供給に依存しています。

この事業体は電力の大口需要家でもあり、電気代は年間10億円以上にも上ります。2007年にEMWDはEnerNOCのデマンドレスポンス(DR)に登録し、エネルギー消費量を約1.5MW削減することを決断。EMWDの主要浄水施設2ヶ所で大電力を消費する装置(例:ポンプなど)を停止することによりこの削減を達成します。

DR プログラムに参加することにより、EMWD はEnerNOCから年間約1000万円の支払いを 受けます。これはピーク時の電力網に新たな安定性をもたらすことに貢献し、この地域の 電力事業者であるサザン・カリフォルニア・エジソン社にとって切要な負荷軽減を提供する ことになるのです。

柔軟性を特定することで消費エネルギーを削減

「電力とは異なり、水は蓄えておくことが出来ます。多くの場合、短期間の停電ならサービスを低下させること無く対応することが出来ます」と語るのは購買・契約ディレクターのダン・ハウエル氏。「水はタンクに貯めることが出来ます。水はパイプラインを通って流れて来ており、我々は例えば井戸のような冗長性のある水源を複数持っています。よって、運営への影響は最小限に抑えながら数ヶ所の施設で短時間操業をストップできる柔軟性があるのです」

DR 要請の際、EMWD はEnerNOC から30分前に通知を受け、ヘメ ットの水濾過施設とぺリスの水濾過施設を手動でシャットダウンし ます。「我々は水供給のため代わりに使用出来る水源を複数確保し ています」とハウエル氏は語ります。「水源と貯水があるので一時的 に容量が低下しても運営が可能なのです。よって、DR 要請中には サービスへの影響は全く無くこれら2施設を2時間程度停止するこ とが出来るのです。」

EMWD はエネルギーイノベーターとして長い歴史を持っています。 例を挙げれば、EMWD本社では天然ガスでマイクロタービン発電 機を運転し、吸収式冷却機で熱を再利用することにより、150トン 以上の冷房容量を達成しており、消費エネルギー低減そして熱の 「我々が公共事業に使用するエ ネルギーをサービスに影響を 及ぼすことなく削減する際に役 立つ鍵となる戦略がデマンドレ スポンスなのです。我々にとって は非常に理に適った話です。」 購買・契約ディレクター ダン・ハウエル氏 無駄を防ぐ回収を行っています。4ヶ所ある汚水処理施設の中のひ とつでは消化ガス燃料電池を現在設置中です。EMWDの高度なエ ネルギー管理システムは、各地に分散している現場での運営を明 確に見渡せるよう一元化され、管理者が効率を最大化するために 役立つ慎重な監視を確約しているのです。

大規模水道施設においてより賢くエネルギーを使うことを目指す EMWD の革新的プログラムにとって、DRは鍵となる部分です。ハウ エル氏は他の水道事業者もこれを見習えば、各地域で大きな成果 を挙げることができると確信しています。

ハウエル氏はEMWDのような大きな水道施設での節電は、事業そのものにマイナスの影響を及ぼすことのない簡単なプロセスであると続けます。「私は、水道事業はカリフォルニア州での電力需要に大きな影響を与える可能性を持っていると思います。我々はこの州の電力需要に甚大な影響を与えるだけの節電を行えるのです。」

ハウエル氏はカリフォルニア州のピーク需要のうち10%から18%は水のポンプ、そしてその他の水関係の電力使用に起因することを示す最近の統計を引用します。これによれば水道施設はこの州でも最大の電力需要家に入ります。

水道事業の省エネの可能性については自他共に認める推進派であるハウエル氏は、全米の水道施設がデマンドレスポンスのプログラムに参加することを提唱しています。また、同氏は電気事業者はエネルギー効率向上に対して更なるインセンティブを提示し続けるべきであるとも考えています。「新たな発電設備の建造費用は非常に高額です。使用エネルギーを削減することで、より大きなレベルのコミュニティに悪影響を与える問題を回避するほうが確実に安くつくのです。我々が公共事業に使用するエネルギーをサービスに影響を及ぼすことなく削減する際に役立つ鍵となる戦略がデマンドレスポンスなのです。我々にとっては非常に理に適った話です。

成果

DRプログラムに登録以来、EMWDは2回の節電要請と定期試験を 経験しており、全てスムーズに運用されました。節電要請中、EMWD は最初に設定した1.5 MWを超える削減に成功しています。経済効 果は大きく、EnerNOCから年間最大1000万円の報酬を受け取って います。

EMWD の受けるDR報酬は2箇所の施設にそれぞれ還元され、多額 の電力コスト軽減に役立っています。さらに、ピーク需要時にエネ ルギーを消費しないことによる節約はEMWDの毎月の電力料金に も反映されています。「我々は低コスト化につながる新しい道を常 に探しているのです」とハウエル氏は語ります。

メリット

デマンドレスポンスの最も重要なメリットは、清浄な水を顧客に届けるというEMWDの根幹を成すミッションに影響を及ぼすことなく簡単に実施できるという点です。このプログラムの条件下では、EMWDは装置の作動レベルを下げるかもしくは、完全に停止することにより、節電要請への対応レベルを選択することが出来ます。そして必要に応じて何時でも手動で再起動する選択肢もあるのです。

EnerNOCのDRがEMWDにもたらす重要なメリット

節電にバックアップ用発電機は不要
EMWD の汚水処理施設は6 MW以上の発電容量を持つ最新型の バックアップ用ガソリン発電機による現場での発電能力を備えて います。しかし、DRプログラムに登録しているEMWDの水処理施設 にはバックアップ用発電機は設置されておりません。1.5 MWの節 電はバックアップ発電ではなく、完全に使用エネルギーの削減の みで達成されています。

包括的戦略の一部として 
EMWDはサザン・カリフォルニア・エジソン社の提供する多岐にわたるプログラムを積極的に検討しこれらに参加しています。「我々はエネルギー消費については柔軟性を持って接するよう努力するポジションを貫いてきました」と語るハウエル氏。「そして我々は長年の間に包括的なエネルギー戦略を築き上げてきたのです」。例を挙げれば、同社の汚水処理施設は、より低い電力料金レートを提供するサザン・カリフォルニア・エジソン社の大口割り込み可能顧客向けI-6プログラムに参加しています。デマンドレスポンスは使用エネルギー削減、コスト低減、そしてEMWD全体を通じての電力使用効率を最大化するための一連の取り組みの中で明確な役割を担っています。

プロフェッショナルな DRパートナー 
EnerNOC との連携は順調に進んでいる、と語るハウエル氏。「デマ ンドレスポンスのプログラムはとてもプロフェッショナルな形で運 営されています。的確な連絡にも感心していますし、EnerNOCとの 提携なら大安心です」

今後の展望

デマンドレスポンスの初期テストがEMWD の2箇所の施設で成功 を収めた現在、同社は250近くある他の施設の中でDRの対象とな り得る候補を評価しています。「我々はDRプログラムに登録し、削 減によって需要を低減できる可能性のある施設に目を向けていま す」とハウエル氏。「プログラムの中央集中管理が可能である限り、 他の施設も追加し続けることができます。いずれは約10箇所の施 設が参加できるのではないかと期待しています」